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陸地で溺れた日々
■4月から待遇がちょっと変わる関係で兼務不可、つまりバイト禁止となった。
ここには何度か書いたけれど、サヨナラがかなり苦手なワタクシ、
淋しくて仕方ない。

■平日2~3時間程度…という感じで始めたはずのこのバイト……
気づけば休日は10時から18時とか、最長では10時から23時とか、
何度も意識不明になったりしたけど、
実はこのバイト、辞めようと本気で思ったことは一度もなかった。
なにより店長が、過去であった上司の中でもTOP3に入るくらいいい人間で、
(でなければこんな無茶苦茶なシフト絶対大暴れしてるんだけど)
毎日本当に楽しくて仕方なかったのだ。
私は数年この店(の他店舗)に通いつめており、メニューやセットのシステムを熟知していたのだが、
それを隠してバイトを始めたため、カリスマ新人となり、
勤続十数年の先輩をして「銀汰さんほど憶えが速かった人はいない」と言わしめた。
なんでもすぐに憶えるものの、子供にプレゼントする『しまじろう』のエプロンだけは最後まで
『しまごろう』と言い続け
「なんでそこだけ覚えられないの……」と不思議がられたりもした。

近隣に食事を出来る場所がないというのもあって本当に忙しいお店だった。
一日走り続ければ脂肪も燃えるというわけで、三ヶ月で8キロ痩せた。
別に昼ごはんだからラッシュ、とかいうわけでなく、いつも忙しい。いつ波がくるというのではなく、
気づいたときには溺れているのだ。
陸地で溺れる、そんな日々も終わろうとしている。


■自分でパフェを作ることが出来るのはとても楽しかった。
どこの飲食店でもそうだろうが、オーダーミスの品物は、
店員が食べれるわけでなく、捨てられる。
ケーキやパフェを間違って作るたびに、それを捨てなくてはならず
「食べようよ! 私言わないから! 食べたって言わないから!!o(:皿;)o 」
と暴れたが、食べさせてもらえることはなかった。


店の前と横にコンサート会場がある関係で、イベントがある日の忙しさは凄かった。
席に座れない人が入口に溜まって、顔も上げられないし、それが垣根になって行きたいテーブルにも近寄れない。
厨房ではウエイトレス同士がぶつかってサラダの皿を落とし、
それを踏んで誰かが派手に転んでいるが誰もそれを片付ける暇がない。
注文量もハンパではないので、
「卵なくなった! オムライスストップです!」
「カキフライ終わった! エビフライに変更して!」
「バナナがもうない!」
「レタスがもうない!!」
「ドミグラスソースがもうない!!!」
「ホイップクリームがもうない!!!!」
と指令が届く
次は電気が消えるか水道が止まるのだろうと思いながら夜まで走り続けた。


■実に色々なお客様がいた

モーニング娘。のコンサート日には、初めて本物のオタクを見た。
すごかった。←多くは語らないが。

おばさんのお客様は最後まで苦手だった。
ある日、満席になってからやって来て
小さな子がおとなしく待っている後ろで「いつになったら空くの!?」と騒ぐおばさんがいたのだが
その人があまりにもザブングルの加藤に似ていて、うっかり
「お待たせしました、加藤様」と名前を間違って呼んでしまって冷えた。
その次のお客様は二人組のおばさんで、
「ドリンクバーは1つしか頼まない。それを二人で飲んでもいいでしょ?
だって私が2杯飲むのも、二人で1杯ずつ飲むのも同じ計算でしょ?あんた頭悪いわね。お名前は?」
と言うので、笑顔で名乗りながら漢字の書き方まで丁寧に教えた。
元々キライだったが、このバイト経験で、本当におばさん嫌いになった。
彼女らの大半は、
「いらっしゃいませ、何名様ですか」と言い終わらないうちに勝手に店内に入ってきて
予約席に座ったりする。なにしろこっちはクタクタなので、おばさんのパワーには勝てない。
ついに頭にきて
「今後、ご案内を無視して勝手に店内に入って来る客には
『止まれ! 止まらないと撃つ!』と叫ぶことにするが良いか?」
と確認したところ店長から泣いてすがられた。
近所のホールにオザキキヨヒコという人が来た日には、くそ忙しいのに
「あなたオザキキヨヒコ知ってる?」と客に話しかけられ、
ここらでおばさん連中とも和解してやろうと歩み寄りを試みることとし、
こうなることを予測して事前に母からGETしていたオザキキヨヒコ情報をもとに
「知ってますよ~。♪二人でドアをあーけーてー! ですよね?」
と満面の笑みで答えてみたところ
「二人でドアを閉めてよ」
と言われ、それ以降そのテーブルに近づけず大回りをして動くハメになり、実に迷惑であった。
二人でドアを閉めるってアンタ、どんだけ非力だよと思ったが、
どうやらこの二人はこの後 『二人で名前消』すらしい。
あっちこっちのテーブルから呼ばれ、明らかに走り回っている私たちに
「ちょっと! 水ー」「水ー」と声をかけるのも、決まっておばさんだった。
若いテーブルは空気を読んでくれた。
おばさんたちは、おまえんちには水道ないんかというほど、
もしくはここは戦場か、戦火が迫ってきてんのかというほど、水を求めガブ飲みする。
そしてテーブルに、謎の薬のゴミや、メニューにない柏餅の皮などをを残して帰っていくのだ。


意外だったが、別れ話をするために訪れる夫婦も多かった。
すでに別居状態の場合、どうしても外で待ち合わせることになるのだろう。
メニューを開いたまま、どちらが離婚届けを用意するかという問題で話し込み、いっこうに注文をしてくれないので
冷えた空間に無理矢理斬り込み
「お決まりですかぁ?」とオーダーを取りにいく。
「離婚届を1枚」と注文してくれたら「食後でよろしいですか?」と答えてやるから
言って!言って!!とワクワクしたのに、コーヒーしか頼んでくれなかった。


ある若いカップルは、彼氏が彼女のことを「仔猫ちゃん」と呼んでいて、その会話が聞こえるたびに厨房大爆笑だった。
この仔猫ちゃんが、非常に残念なお人で、注文ごとに我々を呼びつけては
「これは、ニンニク入っているの?」とか訊くのだけど、答えると
「そう。さがってよくてよ。」と言うのだ。
仔猫ちゃん絞め殺したろうかと思いながら顔は笑顔、心の中で
「こいつんちの目覚まし時計の電池が切れますように」とささやかな呪いをかけた。


ファミレス全般がそうなのか、お太りになられたお客様が多かった。
ヒトを食わないとそこまで肉はつかんだろオイ、というような女性が毎日次から次に訪れた。
必ずといっていいほどパフェ類を頼むのだが、これまた必ずと言っていいほど
「食後」ではなく「一緒に持って来ていいです」とおっしゃる。
そして注文を終えるとおもむろにドリンクバーに行って、
オレンジジュースとメロンソーダとダイエットコーラを抱えて
テーブルに戻る。
お肉とフライとハンバーグが乗ったすごいゴージャスな鉄板を注文されたので、
さすが期待は裏切らないなと思いつつ一応
「こちら単品ですがご一緒にライスは」と確認すると
「そうねぇ。じゃあオムライス。」と言われ彼女の躯体の歴史をみた。
その背中にはファスナーがあって、きっと中にもう一人いるのだ、と思って納得することにした。

若い男の子が来た日には、みんな自分の担当のテーブルに座らせようと
醜い争いが繰り広げられた。
イケメンは世界遺産なので、おひやは並々だし、メニューも二冊だ(嘘)
忙しいときこそ、暇を見つけてはイケメンのテーブル付近をさまよい、生気を吸って蘇るのだ。


『時代』もみた。
4人家族でファミレスに来ているのに、子供二人はずっとDSから顔を上げない。
オーダーを取りにいっても自分ではひとことも喋らず、
親から『どれ頼む?』と訊かれて黙ってメニューを指差す。
すると親も私に向かって黙ってメニューを指差す。
注文が終わると両親二人も携帯電話をいじり始める。
日本はどうなっているんだろうと、本気で心配になった。

鯵の土佐酢膳というメニューは8割「土佐の鯵酢膳ですね!」と復唱したし
ポークカツレツシャスールソースは舌を噛むのが恐ろしくて復唱したためしがない。

愉快な客ばかりではなかった。
二十代後半の夫婦と、三歳児という家族がきた。
その旦那は、逐一嫁を怒鳴った。
その怒鳴り方が、今にも皿を投げつけそうな声音で、ホール中の客がそのたびに静まり返った。
「メシ食え」
「今日お腹いっぱいだから……」
「おれが食えって言いよるんやから食えばええんじゃ! いちいち逆らいやがって、あぁ!?」
シーン。
静まり返ると旦那はボソボソと
「てめーがガタガタ言うからおれを怒らせるんやろうが。黙っとけ」
「おれを怒らせんようにしろ、ええか」
などと言う。
しばらくして店内が少しざわめきを取り戻し、私たちもそのテーブルのことを忘れた頃突然また
「キサマやかましいんじゃぁ!」と怒鳴り声が響く。
嫁は黙ってうなだれている。とてもファミレスのテーブルとは思えない一角だ。
この二人のことはどうでもいい。心の底からどうでもいい。問題は子供だ。
三歳児は、お母さんが作ったのであろうお弁当らしきタッパーを目の前に広げてもらっていたが、
手を膝の上においてビクともしない。目の前の父親を見ることもなく、横のお母さんにすがることもなく、じっとお弁当を見つめていた。
『目を逸らす子供』というのを見たのは初めてで、いたたまれなかった。
クビになっても構わないから子供を抱きかかえて厨房に入れようかと真剣に思った。
その小さな背中は、初めての状況に耐えている背中ではなかった。慣れていた。
どれだけの傷になるのだろう。
私達がこうやって『ひどいわねぇ』と見ている間に男が1回怒鳴る。そのたびにこの子はなにを感じているだろう。
そう思うと、厨房で泣けて泣けて表に出られなくなった。
そのうちに、嫁と子供は二人だけでフラフラと店を出て行った。
男はその後ビールを何杯か飲んで帰って行った。
「アリガトウゴザイマシター」と言いながら、店を出たところで隕石の落下に当たって死にますようにと願った。


■4時半まで仕事して、5時からバイトに入ることが多かったので、この数ヶ月はほとんど家にいなかった。
私は今まで、2006年が一番多忙だったと思っていたのだけど、比ではなかった。
疲れていると帯状疱疹が出るとか花粉症は突然なるとか、
色々心配なことはあるけれど、
今年度なにもなかった私としては、もう一生、死ぬまで元気と思う!
てか死なないと思う。

ひとつ言えるのは、バイトは楽しいということだ。
会社と違って、基本的には休めない。仕事より全然休めない。一人欠ける責任は会社以上だけど、
色々な年代の、色々な背景を持った人たちと働くのは楽しい。
同じダブルワーク仲間の愚痴を聞くのも楽しかった。
あまりにも楽しかったので、本当に辞めたくないのだが
ルールはルールなので仕方ない。
みんなには
成仏できそうにないのでバケて出る」と言ってある。
アイスストッカーあたりに出ようと思っている。
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【2010/03/30 22:14】 | 未分類 |


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